テーマ 薬学・バイオ ドラッグストア
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どんな分野?
健康ブームが続く日本では、医薬品に加えサプリメントや健康食品などのディスカウント販売を行うドラッグストアが人気を集めている。化粧品、洗剤、日用品なども販売するスーパーマーケット型の小売店舗で、普通の薬局よりも営業時間が長く、最近では食品など扱う品目も大幅に増えており、ユーザーの利便性を高めているのが特徴だ。
長年、家庭向けの大衆薬のみを扱っていたドラッグストアだが、一部の店舗で処方箋による調剤(薬の調合)を受け付けるなど、医療の中で「薬局」として積極的な役割を担おうとする動きも始まっている。また最近は、コンビニエンスストアでも大衆薬の販売が行われており、ドラッグストアとの間での販売競争が激化している。
活躍の舞台
ドラッグストアで薬剤師として働くには、薬学部(6年制)に進学して「医療薬学」を専攻し、医薬品の調剤や服薬のアドバイスをするスペシャリスト「薬剤師」の資格を取る必要がある。「化学」と「物理学」、「生物学」などの基礎理学を土台として、薬品や化学物質の性質、薬効と副作用について学ぶ。もちろん、人間の身体と病気のメカニズムに関する医学知識は重要な学習項目だ。さらに、医薬品の処方を行う現場での24週間の実習が義務づけられている。
店頭で販売を行う(調剤をしない)一般の店員になるには薬剤師の資格は不要だが、法律で定められた「登録販売者」の資格を入手するほうがよいだろう。必須の資格ではないが、就職や昇進などの面で有利となる場合がある。
学問へのアプローチ
法律上、大衆薬を含めて「医薬品」を販売する店舗では薬剤師が常駐する必要がある。一方で、2009年から医薬品の「登録販売者」の資格制度が開始し、薬剤師以外の人もドラッグストア店員として一部の大衆薬を販売できるようになった。最近は大型店舗やショッピングセンター内などさまざまな形態の店舗が登場しており、薬剤師や登録販売者など医薬品の基本知識をもつ人材のニーズが広がっている。
ドラッグストアで働く人には、医薬品の専門家というだけでなく、小売店の店員として接客するサービス業という側面もある。お年寄りや持病を抱える人など弱い立場の人に対して、わかりやすく薬の知識を伝えられる表現力やコミュニーション能力が大切となる。
このキーワードについて学べる学問分野
栄養学
人間の健康と食物の関係を科学的に研究。とくに食物の栄養成分の研究をテーマとし、食事の「量」と「質」をコントロール。健康管理の実践手法を工夫する管理栄養士も養成する
保健・衛生・医療技術学
医療・福祉活動を医師と共に支える「保健衛生」「リハビリ」「医療技術」を研究する学問。衛生環境を整えて病気を予防したり、社会復帰を助けたりして国民の健康を守ることがテーマ
薬学
病気の治療、健康管理、衛生環境の視点から、医薬品をはじめとする「薬(くすり)」について、総合的に研究する学問分野。家庭用の洗剤や殺虫剤といった生活用薬剤や化学物質も対象
看護学
医療現場や福祉施設、地域社会における看護と介護のプロフェッショナル領域。医師をサポートしつつ、病気の人や高齢者・障害者を、身近にあって心身両面からケアするための実践学問