テーマ 薬学・バイオ ジェネリック
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どんな分野?
ジェネリック薬(後発医薬品)とは、ある医薬品(新薬)に関して、特許をもつ開発メーカー以外の後発メーカーが製造する、同じ有効成分を含んだ医薬品。ジェネリックとは医薬品の「一般名」(generic name)という意味からの命名だ。
特許の有効期間(20年間)を終えてからの発売となるが、新薬の開発にかかる膨大なコストと時間が大幅に縮減できるため、医薬品の価格を低く抑えられる点がメリット。欧米に比べて日本では普及が進んでいないが、2008年の制度改正により「処方可能なジェネリック薬がない」など特殊な事情をのぞいて、患者の希望でジェネリック薬を選択できるようになり、これからの普及が期待されている。
活躍の舞台
医薬品の開発に携わるには、薬学部(4年制)に入学して「製薬学」「製薬化学」を専攻するのが一般的な進路だ。
「薬を使う」ための効能や処方・治療の側面を中心に学んで薬剤師をめざす6年制の薬学部に対して、4年制の課程では化学物質としての薬の成分に注目し、「薬をつくる」ための知識と研究技術を修得することが目標となる。
そのため、大学では基礎課程で「化学」「生物学」「物理学」などの基礎理論をしっかりと把握することが重要。また専門課程では、薬の構造(化学的組成)、薬の検査・分析、薬の合成方法などを学ぶ。製薬会社で薬品開発のプロフェッショナルとして活躍することを希望するなら、さらに大学院に進学して研究を深めることが必須だ。
学問へのアプローチ
この分野を専攻した人は、製薬会社に所属して医薬品を開発する研究者、あるいは医師や薬剤師など医療関係者に対して医薬品の効能や利用法についての情報を伝える「MR(医薬情報担当者)」となる道がある。特にジェネリック薬のメーカーには、医療現場への普及のためMRの人材を増強する動きもあり、これから有望な職種といえる。
需要が予測しにくいため安定した供給体制がとれないという面があったジェネリック薬。一方で、ブランドにこだわる日本人の国民性もあり、これまで医療現場への浸透は進んでこなかったが、ジェネリック薬を製造するメーカーでは製品試験の強化による高い品質の維持、さらに製造ラインの安定化といった努力が続けられており、いっそうの発展が予測される。