テーマ 薬学・バイオ バイオマテリアル
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どんな分野?
人の身体に移植することを目的とした素材のことで、生体材料とも呼ばれる。人工臓器や歯科・眼科・整形外科で用いる材料(人工関節、人工軟骨、インプラントなど)、手術や治療で用いる治療用材料などの医療用マテリアルが注目されている。
身体の中に埋め込んで使うため、生体組織と反応しにくいという性質が重要で、セラミックスやプラスチック、さまざまな金属合金などが研究対象となっている。近年では、生物の身体を構成している高分子から合成された、より身体と調和しやすい素材の開発も進められている。
こうしたバイオ技術を利用した新素材は、遺伝子による診断や治療、再生医療、薬物治療などの高度な最新医療技術への応用も期待されている。
活躍の舞台
この分野は新しい素材を開発・製造する化学メーカーが代表的。金属合金や合成物質をはじめ生物の細胞・分子・DNAなど、多種多様な物質の中からバイオマテリアルに利用できる性質を見つけて、工業製品の開発につなげる仕事だ。製造業の会社では開発部門のほか、工場での生産管理に携わる業務、事務や営業系の業務もある。
バイオマテリアルの開発には、医薬品や医療機器のメーカー、化学工業や食品工業、さらに光学機器、電子部品などのメーカーなども次々に参入しており競争が激化。これからはこうした新規参入の企業内で、新しい部門として新素材開発に携わる仕事もこれから有望となるだろう。
学問へのアプローチ
この分野を学ぶには、工学系統の「材料工学」または「応用化学」「応用生物学」を専攻するの代表的な進路だ。いずれも「化学」の知識を応用して素材の開発を目指す工学ジャンルだが、それぞれ特色もある。たとえば「材料工学」では、金属材料、無機材料、有機材料など、主に工業製品に用いられる材料について総合的に学べる。「応用化学」は工業化学とも呼ばれ、医薬品をはじめ食品、化学薬品などの製造技術について体系的に学べる。また「応用生物学」では、植物や微生物の組織を用いた新素材開発をはじめ、最新のバイオテクノロジーを学べる。
そのほか、「工学系学際」の分野に属する「医用工学」や「生体医工学」の領域でも、バイオマテリアルについて学べる専攻・コースがある。