テーマ 薬学・バイオ 抗菌・除菌
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どんな分野?
「除菌」は、殺菌剤などを使って、物や身体に付着したり、空間に漂ったりしている細菌やカビといった微生物を取り除くこと。「抗菌」は、薬剤や素材の特性を生かして微生物の繁殖を抑制することをいう。いずれも、食器や衣類、家具、建材といった人の肌に触れる物や場所を衛生に保つための技術だ。また、においを防ぐ効果もあり、除菌効果をうたった消臭・芳香剤など商品のバリエーションが広がっている。
殺菌作用をもつ化学物質、細菌に強い素材など、新しい技術の開発も活発に行われている。商品ごとに効果には差があり、使い方によっては逆効果になるケースもあるため、消費者には商品の品質を見きわめ、場面に応じて使い分ける知識が求められる。
活躍の舞台
この分野を大学で学んだ人は、抗菌・除菌製品を製造・販売する会社に就職し、商品の研究開発に携わるのが代表的な進路。除菌に関連する製品の種類は多彩で、石けんや衣類用洗剤、台所・トイレ用洗剤、消臭・芳香剤、ティッシュペーパーや脱脂綿などの衛生用品まで幅広い。
就職先としては、一般に「ヘルスケア」「衛生用品」と呼ばれるジャンルの商品を扱う化学メーカーや薬品メーカーが中心だ。一方、抗菌技術は、衣類をはじめ文具や台所用品、リビング用品、家具など、一般家庭向けのさまざまな製品に使われており、これらを製造するメーカーも選択肢となる。
そのほか、薬局またはドラッグストアなどの小売店で、消費者に抗菌・除菌製品を提供する仕事に就く道も考えられる。
学問へのアプローチ
抗菌・除菌の技術を大学で学びたい人に適した学問分野は、医療・保健系統「薬学」または工学系統「材料工学」が挙げられる。医薬品の開発と利用法を研究する「薬学」では、さまざまな医薬品や化学物質の性質と、人間の身体に及ぼす作用をよく理解したうえで、人間に害が少なく抗菌・除菌に効果のある製品の開発をめざす。
新素材の開発をテーマとする「材料工学」では、あらゆる金属や繊維、合成樹脂などの性質を研究し、微生物に強い素材の開発を行う。そのほか、消費者の立場でいろいろな商品・サービスについて研究する家政系統「家政学」という道もある。さまざまな抗菌・除菌製品の性能と効果を、実験やデータ分析を通じて検証する。