テーマ 薬学・バイオ アレルギー
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どんな分野?
アレルギーの原因は、人間の身体に備わった免疫の機能が、本来は無害な物質に異常な反応をするために、皮膚の病気や嘔吐・発熱などの症状を引き起こすこと。近年は、食物、花粉、ダニなどのアレルギー患者が増加しています。中には、ショック症状で命に危険を及ぼす場合もあり、十分な注意が必要です。
食生活や住環境の改善で原因物質を減らし、薬物で症状を抑える対症療法が一般的ですが、たとえば食物アレルギーでは、医師の管理のもとでごく少量ずつ身体に入れることで耐性をつける「経口免疫療法」など根治をめざす治療も登場しています。アレルギーの原因物質の特定や反応が起きるメカニズムの解明が進んでおり、根本的な治療薬の開発が待たれます。
活躍の舞台
薬学系で「基礎薬学」を専攻した人は、大学の研究所や製薬メーカーなどが代表的な就職先です。アレルギー薬の開発、効能や副作用の検証を行う研究職として勤務します。また「臨床薬学」を学んだ人の主な職種は、病院や調剤薬局に勤務する薬剤師です。医療現場での仕事としては、アレルギー患者の診断・治療にあたる医師、献立や食生活の改善を指導する栄養士などもあります。さらに、アレルギーに関する専門知識は新たな食品の開発、マスクをはじめとする対策グッズや衣料品の企画など、一般企業でも生かせます。
身近な病気に思われるアレルギーですが、抜本的な解決法や対策は、まだ開発途上といえます。新しい薬やグッズの開発に興味のある人は、チャレンジしてはどうでしょう。
学問へのアプローチ
医薬品などさまざまな化学物質の特性を理解し、人間の身体に及ぼす効能・副作用を学ぶ「薬学」が代表的な学問です。アレルギー治療に役立つ医薬品の開発をめざす「基礎薬学」と、医療の場での効果的な利用法を研究する「臨床薬学」があります。
「保健・衛生・医療技術学」も関連の深い学問です。国民の健康を守る「公衆衛生」というジャンルで、医学的なデータに基づいたアレルギーの予防と対策を考えます。食物アレルギーの治療、食生活によるアレルギー予防に興味がある人は、「栄養学」も選択肢となります。「医学」では、アレルギー物質の原因と人間の身体をむしばむメカニズムを解明し、経口免疫治療など最新のアレルギー治療法について学べます。
このキーワードについて学べる学問分野
栄養学
人間の健康と食物の関係を科学的に研究。とくに食物の栄養成分の研究をテーマとし、食事の「量」と「質」をコントロール。健康管理の実践手法を工夫する管理栄養士も養成する
保健・衛生・医療技術学
医療・福祉活動を医師と共に支える「保健衛生」「リハビリ」「医療技術」を研究する学問。衛生環境を整えて病気を予防したり、社会復帰を助けたりして国民の健康を守ることがテーマ
医学
人間の身体のしくみや生命活動を、健康との関係で科学的に捉え、人間の病気やケガのメカニズムを解明。その治療法と予防法を総合的に研究する学問。研究の進歩が著しい最先端科学
薬学
病気の治療、健康管理、衛生環境の視点から、医薬品をはじめとする「薬(くすり)」について、総合的に研究する学問分野。家庭用の洗剤や殺虫剤といった生活用薬剤や化学物質も対象