テーマ 薬学・バイオ アグリビジネス
その他のキーワード
どんな分野?
アグリビジネスとは英語で農業という意味のアグリカルチャー(Agriculture)とビジネスを組み合わせた造語で、農業関連の経済活動全体のことをいいます。その領域は農作物の生産から加工、農薬や肥料の開発、品種改良、流通・販売に至るまで幅広く広がっています。
日本の農業は長い間家族経営が中心でしたが、近年は食糧需要の伸びにビジネスチャンスを求め、農業に参入する企業が増加しています。経営の視点で農業を考え、効率性を高めて農地を大規模化。株式会社や異業種からの事業参入も進み、バイオテクノロジーや管理の自動化といった最先端技術の導入が加速しています。
その一方、高品質を売りに各農家の単位でレストランと直接契約したり、自らインターネット販売したりするなど、付加価値を高めた小規模なアグリビジネスも登場しています。
活躍の舞台
アグリビジネスに取り組む代表的な組織として「農業生産法人」があります。株式会社と同様の企業組織が農地を保有し、農業経営を行っています。こうした企業に勤務して技術力を高め、経験を重ねることで個人事業主(農家)として起業する道も開けてきます。
商社をはじめ食品流通に関わる業種、生産工場をもつメーカーもアグリビジネスに進出しています。小売業や飲食業界では、材料に用いる農作物を自社あるいは契約先の農場で生産する動きが進んでいます。
各農家の単位では協同組合に農作物を買い取ってもらうケースが一般的ですが、協同組合を介さずに消費者や飲食店に直接販売するケースも増えています。そのためには、営業力や販売力を強化することが課題となります。
学問へのアプローチ
アグリビジネスを学ぶには、農学系統の学問が最適です。「農学」では、田畑でとれる農作物を中心に、農業生産全般の基本的な知識と技術を学ぶことができます。農地や農業施設、農機具など工学的なテーマを研究する「農業工学」、農薬・肥料や農産物の加工など化学的なテーマを研究する「農芸化学」という学問もあります。
農作物の流通、食糧問題などについて学び、市場経済におけるアグリビジネスの課題を研究する「農業経済学」、酪農や食肉の生産を専門に学ぶ「畜産学」も関連が深い学問。市場経済の視点で農業の生産・販売・流通を研究し、アグリビジネスの経営を考える「経営学」という選択肢も考えられるでしょう。
このキーワードについて学べる学問分野
獣医学・畜産学
家畜などの動物の飼育と健康管理、資源としての利用を研究。動物の病気治療と予防法を研究する「獣医学」と動物を資源として飼育・繁殖・利用を研究する「畜産学」は不即不離の学問
農学
穀物や野菜、果物などの農作物をつくる「農業」の技術を総合的に研究する分野。農業生産に品種改良などの新しい技術を導入し、収穫量の増加と作業の効率性の向上をめざす実践学問
農芸化学
化学や生物学の知見を農業のいろいろな技術に応用する学問ジャンル。主として、農作物の生産量や品質の向上、貯蔵法、食品加工法などに関してバイオと化学の視点からアプローチする
農業経済学
農作物の生産、流通、消費の過程を主に学習し、食糧の安定供給と安全性の確保のための方策を研究する分野。世界の食糧流通を検証し、食糧危機の解決や途上国の開発援助にも取り組む
経営学
人、モノ、カネ、情報を活用した「企業」活動の管理法と運営法を研究するジャンル。即戦力として実践的な知識と運用能力を養成するために、インターンシップ教育が盛んなのが特徴
農業工学
農業生産に関する工学的テーマを扱う学問で、農業用地の開発や管理、農機具に関する研究が中心。農業の生産環境と農村社会そのものについて研究し、農業の未来の姿を構想する分野