テーマ 食物と栄養 食育
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どんな分野?
食生活を見直すことで、心身の健康を維持しようという風潮は現代社会の関心事となるなか、食育の取り組みも継続されている。食習慣を改善し日常の生活を見直したことで、児童の精神面の安定や全体の学力向上に繋がったという報告は各地で続いており、今後もこうした取り組みが息長く続けられることが大切だ。
さらに最近では食への安全意識も加わり、学校給食などでも原材料の「地産地消」を試みる自治体もあり、地域の活性化に一役買う場面もみられる。また、学校の畑でこども自ら育てた野菜を給食に使う学校も出始めるなど、人間の生命、生活の根幹にかかわる「食」に関して、各地で地道な実践の積み重ねの重要性が認識されるようになってきた。
活躍の舞台
「食」の大切さを伝えていく教師の役割は大きい。文部科学省では教師資格と管理栄養士・栄養士資格を併せ持つ食と教育の専門家に、学校給食を活用して栄養や食事について教育する「栄養教諭制度」を設けている。まだ人員も不足しており十分とはいえないが、食への関心が高まるなか、今後の進展が期待されている。
また、「臨床栄養学」や「福祉栄養学」「管理栄養学」「栄養・健康科学」といった医療と保健分野の学問的連携および発展はますます進んでおり、普段の食習慣が人間の体にとってどんな影響を及ぼすのか、健康増進と病気予防の観点からさまざまな研究成果が報告されている。
学問へのアプローチ
健康への関心が高まるなか「セルフメディケーション(自分の健康は自分で守る)」という考え方が広まりつつある。今や子どもにも広がり国民病ともいわれる糖尿病や肥満といった生活習慣病の増加は、普段の食生活や生活習慣と密接に関わっているといわれる。財政事情も手伝い国も予防医学に注力する傾向にあり、国民一人ひとりにとって「食」に関する知識はもはや欠かせないものとなっている。「食育」の果たす役割は今後ますます大きくなることはまちがいない。
世界でも長寿国として知られる日本。単に長生きするだけでなく、いかに健康でその人らしい生活をまっとうするか、高齢者のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質的向上)が課題だ。