テーマ 食物と栄養
食の安心・安全を担う
食物アレルギーの歴史は古代ギリシャの時代にまで遡ります。「医学の租」と呼ばれるヒポクラテスが、牛乳によって胃の障がいを起こし、蕁じん麻ま疹しんが生じるという記録を残していたといわれています。しかし、詳細な研究や症例報告が行われるようになったのは20世紀に入ってからなのです。 食物アレルギーを引き起こす食品には、卵・牛乳・小麦のほかに、ピーナッツ・果物・魚卵などスーパーやコンビニでよく見かける食材が多く含まれています。食材によっては加熱すれば食べられるもの、加熱しても食べられないものなどがあるので、きちんとした知識を身につける必要があります。
栄養士として健康に貢献
日本の高齢者たちの中には、生きがいがなくなり食べる気が生じない、消化吸収能力の低下などが原因で食事を摂らなくなってしまう人がいます。そのような方たちに、食を通じて援助・アドバイスするのが、医療施設や介護保険施設、小・中学校などで働く栄養士です。 管理栄養士は、病気や高齢によって食事がしにくくなっている方など一人ひとりに寄り添いながら、専門知識と技術を持ち、栄養管理や給食管理、栄養指導を行います。栄養士は主に健康な方を対象に、栄養指導や給食に関する運営を行います。栄養士は卒業すると資格を得ることができますが、管理栄養士は国家試験に合格しなければ資格を得ることはできません。
「食物と栄養」に関連するキーワード
外食産業
今や私たちの生活に欠かせない“外食”は調理師や栄養士などの活躍の場でもある
食品メーカー
健康意識が高まるなか、高機能特定保険商品「トクホ」などの商品開発に期待が高まる
食育
児童育成には教師だけでなく、食の大切さを伝える栄養士らプロの活躍も求められる
食品添加物
食べ物に色・香りを加えたり保存性を高めることで、現代人の楽しい食卓を演出する
サプリメント
健康維持から美容・美肌までその目的は多種多様、不足気味な栄養素を補うための食品
食の安全
食品の産地や原材料のほか、食物の栄養と衛生に関する知識を学ぶことが安心への第一歩
メタボリックシンドローム
食生活の欧米化で日本人に広がる肥満。健康長寿社会を実現するため国民的な対策が重要
栄養管理
栄養と健康に関する医学的な知識により、ダイエットや患者の健康回復を支援する
食品流通業
食料品のトレーサビリティを高め、質・量ともに安定した食糧供給システムを実現する
配食・デリバリー
若者やファミリー向けから健康志向の栄養食まで多彩に広がる「中食」の担い手
畜産業
生産コスト・品質・安全性のバランスをとり、安定した食糧供給で日本人の「食」を支える
フードデザイン
食材選びから調理方法、食卓やダイニングのアレンジまでトータルで演出する
食品研究所
食品の成分分析や安全性の検査を担当するほか、新製品の開発に参画するケースも
ファミリーレストラン
同業種間での生き残り競争の激化により、サービスの差別化や新しい客層開拓が欠かせない
地産地消
同業種間での生き残り競争の激化により、サービスの差別化や新しい客層開拓が欠かせない
食品検査
食品偽装や食中毒など食の問題が注目されるなか、食品を検査する役割が重要だ
伝統食
外食に偏る食生活を反省し、伝統的な食習慣を取り戻そうと考える人が増えている
機能性食品
サプリメントや栄養ドリンクなど、食事を補い健康を増進する効果が期待できる食品
食事療法
医師や栄養士の監督のもとで食生活を管理し、病状の改善や健康管理をはかる
オーガニック
多少高価でも安心・安全な食べ物を求める人から支持を集める有機農法の農作物
食品衛生
病原菌や毒物などの危険を取り除き、衛生環境を保って安全な食べ物を提供する
フードバンク
消費者に販売できない食品を学校や福祉施設、貧困家庭に届けるユニークなしくみ
食品ロス
飽食の時代が生んだ食品の大量廃棄。食品流通の改革、食習慣の見直しが課題
食育
食に関する知識と食を選択する知識を身につけ、健全な食生活を実践できる力を育む
ビーガン
肉を一切食べない「完全菜食主義者」