テーマ 食物と栄養 フードデザイン
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どんな分野?
フードデザインとは、文字通り「食をデザインする」こと。単なる栄養補給のためではなく、文化としての食生活を豊かにすることを目的とした食の新しい潮流だ。たとえば、外食産業の世界ではユニークな趣向で食事の時間を演出するために知恵を絞っている。
一方で、家庭料理においては、料理の盛りつけや食卓の飾り付けも含めてトータルで「食」を楽しむ人が増えている。食品メーカーではこうしたニーズに応えて、商品をアレンジした魅力のあるレシピをWebサイトなどを通して積極的に公開している。時代にマッチする新食品を開発するだけでなく、料理の楽しさを消費者にアピールすることも重要なテーマになっており、フードデザイナーという専門職の活躍の場も広がっている。
活躍の舞台
「食」について学べる学科は、主に“調理”に着目し、食品の保存や加工、食卓の演出方法などを学ぶ「食物学」と、主に“健康”に着目し、人間の身体と食べ物の栄養について研究する「栄養学」の2分野がある。多くの大学では両方の研究テーマを扱っており、また卒業後に栄養士の資格取得にも挑戦できる。この学問ジャンルの新しい潮流として、「フードデザイン」を名前に冠した学科も登場。社会のニーズに応える新しい食品を開発する、食品の安全性を守るなど、創造的なアプローチで食を研究する新機軸の学科となっている。
こうした食物・栄養の分野に加えて、食のプロとして独立をめざすなら、食品流通に関する専門知識や会社経営、会計の実務領域も学んでおきたい。
学問へのアプローチ
フードデザインを専攻し、食に関する幅広いスキルを身につけた人は、食品メーカーや外食産業で能力を発揮することができる。
最近は、メーカーや飲食店から依頼を受けて、商品を生かしたメニューを開発したり、食品ブランドを造り上げる「プロデュース業務」、商品の魅力をアピールするための食卓デザインを行い、印刷物やパンフレットをつくる「広告制作業務」、食品ビジネスについてさまざまなアドバイスする「コンサルティング業務」を担当するフードデザイン専門の職種もある。栄養士、管理栄養士の資格を取得することで、新しい商品の企画やメニュー開発、栄養指導など、仕事の幅が大きく広がっていくだろう。