テーマ 食物と栄養 機能性食品
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どんな分野?
特定の成分の機能に注目し、「おなかの調子を整える」あるいは「目のピント調節機能をよくする」といった効果を表示して販売される食品が人気を集めている。ヨーグルトやお菓子など普通の食品の栄養成分を強化した商品のほか、栄養成分を抽出して錠剤やドリンクに加工し、サプリメントとして販売されるものもある。
国によって個別に有効性と安全性が審査される「特定保健用食品」、いわゆる「特保(トクホ)」と、製造会社の責任で含まれる成分の健康への有用性(機能性)を表示した「機能性表示食品」の2種類がある。両者は商品化への手続きに違いはあるが、日常の食事を補い健康を増進する効用が消費者から期待され、売り上げが急速に伸びている。
活躍の舞台
この分野を専攻した人の進路は、機能性食品をはじめ、サプリメントや栄養補助食品などを製造・販売する食品メーカー、薬品メーカーが挙げられる。食品がもつ機能をさまざまな実験で分析し健康によい栄養成分を探る研究職のほか、研究データをもとに新製品を開発する仕事、商品の売れ行きや市場動向から消費者のニーズを探るマーケティングなど、さまざまな職種がある。
食品の機能や食と健康に関する専門知識は、そのほかの職業でも生かせる。たとえば、飲食業や外食産業などで、機能性食品を活かした新しいメニューを開発する仕事、病院の医療機関や保健所において、健康維持や快復のための食事管理をする栄養士の仕事などがある。
学問へのアプローチ
機能性食品について大学で学びたい人は、食品に含まれる栄養や健康成分について実践的に研究する医療・保健系統「栄養学」が代表的な進路となる。人間の身体のしくみに関する医学の基礎知識を土台に、さまざまな機能性食品の成分を実験やデータ分析を通じて検証し、最も有効な利用法を考える。
医薬品や化学物質の開発を研究テーマとする「薬学」も関係が深い。食品に含まれるあらゆる物質の効能や副作用を解明し、医薬品との違いを理解したうえで、機能性食品の正しい利用法を検証する。そのほか、食物の味と品質を科学的に分析する家政系統「食物学」も選択肢となる。機能性食品について味や食感の面から分析し、おいしい調理法を研究する。