テーマ 食物と栄養 食育
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どんな分野?
食の安全性やバランスのとれた食を選択する知識を身につけ、健全な食生活を実践できる力を育む取り組み。
近年、偏った栄養摂取、朝食欠食といった国民の食生活の乱れが目立つようになりました。また、食事は生涯にわたって続く人間の基本的な営みですから、広い視野から食について教育することは重要です。
こうした状況を踏まえて2005年に食育基本法が成立。2016年から始まった第3次食育推進基本計画では、朝食を欠食する国民を減らす。栄養バランスに配慮した食生活を実践する国民を増やすといった目標が掲げられました。たとえば親子で参加する料理教室、地域の特色を生かした学校給食など、食の大切さを伝える取り組みが地域や家庭の間で行われています。
活躍の舞台
食事や食品に関わる仕事が中心になるでしょう。たとえば食品メーカーや外食産業に勤務し、食品、レシピの開発・研究に携わる道が考えられます。食事をおいしく仕上げるだけでなく、栄養のバランス、食材の特徴を生かした調理方法など、食に関する幅広い知識と技術が必要になります。
食育に関する代表的な国家資格として、主に健康な人を対象に栄養指導を行う栄養士。傷病者をはじめ個々の症状や体質を考慮して食事指導を行う管理栄養士があります。これらの資格は飲食業界に加え、学校、病院、福祉施設など食事を提供する幅広い業界で「栄養のプロ」として必要とされています。また、ステップアップや独立起業のため、フードコーディネーターをはじめ食育に関する民間資格を取得することも考えられるでしょう。
学問へのアプローチ
食育に関連が深いのは、医療・保健系統「栄養学」、家政系統「食物学」の2つ。この学問が学べる大学には、栄養士、管理栄養士の国家資格を取得するためのコースが設置されていることが多いです。
「栄養学」では、国民の健康増進を食の面からサポートするため、人間の食事摂取と消化吸収のしくみ、食品に含まれる栄養と身体の反応などを分析し、理想的な栄養のとり方を探ります。 「食物学」では、日常生活の中での食の問題を総合的に研究。調理の理論と技術をはじめ、食品の栄養分と健康との関係、世界の食文化といった多彩なテーマを学びます。
食育をはじめとする現代の社会的テーマの解決にチャレンジする教育系統「総合科学」という学問もあります。