テーマ 福祉 アパレルメーカー
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どんな分野?
アパレルメーカーとは、主に既製の服を企画・生産する製造業のこと。衣服を意味する英語の「アパレル(apparel)」に由来する。従来のアパレル企業は専ら「メーカー」として製造に徹し、商品をデパートや洋服店をはじめとする小売店に卸売するという事業形態が主流だったが、最近は小売店を経由せず、自社ブランドを冠した直営店を立ち上げて、一般の消費者に販売する企業がトレンドになっている。さらに、製造拠点を海外に置き、低コストで集中生産した商品を世界中の直営店で販売する営業スタイルも現れており、消費者の好みを捉えた巧みなマーケティング戦略でファッション界の流行をリードしている。
活躍の舞台
アパレルメーカーの仕事を研究するには、家政系統の「被服学」または芸術系統の「デザイン学」で服飾デザインを専攻するのが一般的なコースだ。
「被服学」では、衣服の素材と加工法による質感の違い、あるいは布や繊維の性質と保温性や保湿性、耐久性の関係を考える「化学」、身体の形と着心地との関係を研究する「人間工学」、衣服の色や形が人間の心に及ぼす影響を調べる「心理学」など、衣服と人間との関係を幅広い視点で学ぶ。そのうえで、衣服の形や色を決定する、型紙を作る、布地を裁断する、縫う、という工程に沿って制作の技法を実践的に学んでいく。そのほか、消費者のニーズを捉え、商品開発や販売戦略につなげる「商学」的な専門知識も重要な項目となる。
学問へのアプローチ
アパレルの職種は、衣服を作る「制作」、衣服を売る「販売」、この両者をつなぐ「管理」の3種類に分かれる。
作る仕事は、たとえば衣服の形と色を決定するデザイナー、型紙を作るパタンナー、生地を裁断して縫い合わせる仕事など、工程ごとの分業制になっている。腕と経験が物をいう実力の世界であり、就職後にも技術の研鑽と努力が欠かせない。
また管理の仕事には、生産から販売までの工程を管理して品質をチェックする「プロダクトマネージャー」、売れ行きや販売店での調査を元に消費動向を把握する「マーケティング」、広報宣伝やマスコミ対応を行う「プレス」などがある。アパレル企業の戦略を担う仕事であり、創造力やアイデア、積極的な行動力が大切だ。
このキーワードについて学べる学問分野
工芸・デザイン
製品の形や映像・絵・文字などを使った、人間の視覚に訴える表現芸術。美術の応用領域として、社会ニーズにそった「美」を創りだす分野。「機能性」「快適性」を希求するのが特質
工芸学・工業デザイン
製品や印刷物、家や店舗、公園や道路などを対象に、人間の感性や感覚に訴える「美しさ」を創造するデザイン表現を追究する分野。機能性やコストと「美」の調和が求められるのが特質
社会学
家庭・地域・学校・企業など人間が作っている「組織」のしくみやはたらきを検証し、そこに生起する種々の現象を解析。社会病魔、福祉、環境、メディアといった現代的課題に迫る
被服学
快適さや機能性に富む衣料をつくり、新たな服飾生活を創造する分野。衣服の作製・保管・手入れの技術から、衣類の生産・消費・流通という産業的な側面まで、幅広い領域を対象とする
芸術系学際
美術、デザイン、音楽という3つの芸術ジャンルの枠を超えた研究領域。「枠を超えた」というよりは総合した要素も。芸術への深い造詣をもとに、新しい芸術文化の創造や普及に貢献する
文化学
世界の文化の多様性を土台に、古今東西の人や文化を総体的として比較。それぞれの文化特有の尺度や思想を発見・分析するジャンル。現地での「フィールドワーク」の研究手法がキモ