テーマ 福祉
古代から続く助け合いの精神
人々は古くから互いに助け合い生きてきました。奈良時代にはすでに、福祉施設がつくられていたことが分かっています。723年、興福寺(奈良県)に設けられた悲田院では、身寄りのない人や困窮者などを救済していたといわれています。 福祉は、満ち足りた状態が続いているといった幸福を意味する言葉で、その対象は児童、障がい者、高齢者、貧困など、多岐にわたります。 昨今では、病気や障がいのある家族の介護や世話をしている子ども「ヤングケアラー」の問題が顕在化しつつあり、厚生労働省と文部科学省は共同で、福祉、介護、医療、教育の関係機関が連携するプロジェクトチームをつくり、彼らへの支援方法を模索しています。
人々が抱える生きづらさに寄り添う
人々が安心して暮らすことができるよう、自立した生活が難しい人の要因を分析し、何が必要かを考え、それを実現する福祉サービスやシステムを創造するのが社会福祉学です。社会福祉を担う専門職には、介護を必要とする人にどのような介護サービスを提供するかなどを示す社会福祉士、精神上の障がいを持つ人が日常生活に適応できるよう援助する精神保健福祉士、介護が必要な人に実際に介護を行う介護福祉士、児童の保育をする保育士などがあります。 また、高齢化が進む中、理学療法士や作業療法士などが福祉の現場で行うリハビリテーションも、けがの予防などに重要な役割を果たしています。