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どんな分野?
映画が一般客に届くまでの過程には、作品の企画・製作を行う「映画製作」、完成した映画を映画館などで上映する「映画興行」、そしてその両者をつなぐ「映画配給」がある。
映画配給の役目には、国内外で製作された(製作予定も含む)映画情報を把握して、製作者から上映権利を獲得してくる「買い付け」業務。買い付けた後に、作品の上映館を決める「ブッキング」業務。さらに、作品のポスターや予告編の製作、試写会の実施、新聞やテレビを使ったPRを行う「宣伝」業務などがある。
日本では作品の製作から興行までの全過程を一手に担う大手会社もあるが、基本的には海外の映画業界も含めてそれぞれの業務を別々の会社が行っているケースが目立つ。
活躍の舞台
映画配給会社に就職してキャリアをスタートさせるのが一般的。大手会社は仕事を分業化させて、より多くの作品を扱う。インディペンデント系(独立系)と呼ばれる小規模会社は、買い付けから宣伝まで1人のスタッフがさまざまな業務に携わるなど、会社規模により業務形態はさまざま。作品の宣伝、予告編製作など一部の業務を配給会社から請け負う専門の会社も多数存在する。
映画配給は、映画という世界的な人気コンテンツを扱う実力主義の業界であるため、大学新卒者にとっては狭き門。映画関連業界でのアルバイトを経た後に、スタッフ採用されるケースも多い。また、配給会社などで経験を積んだ後に自分で会社を設立したり、フリーランスの立場で活躍する人も大勢いるが、独立するためには豊富な知識と経験が必要だ。
学問へのアプローチ
映画配給の場合、映画製作の知識よりも「どうすれば映画がヒットするか」というビジネス的な視点を持っていることが大切。近年は芸術系統「芸術系学際」の関連領域として、映画ビジネスについて学べる学部・学科を設置している大学が存在するが、社会学系統の「経営学」や「経済学」でビジネス全般について学ぶのもいいだろう。
海外作品を扱う配給会社の場合、買い付けは外国の映画会社との交渉になる。そのため英語はもちろん、フランスやイタリアといった映画文化が発展している国の言語を身につけることも重要。また、海外の文化・情勢に関する豊富な知識も求められる。人文科学系統の「文学・語学」「文化学」からのアプローチも有効だ。
このキーワードについて学べる学問分野
経済学
モノやサービスを交換するしくみ=「生産→流通→消費」の観点から、世の中の人々のより良い暮らしを探求する分野。数理的な要素が強いこと、国際的な視点が重要なことが二大特徴
文学・語学
“言語動物”である人間が、文字と言葉によって芸術や作品を生み生活を愉しみながら、考える力・洞察力・観賞力・コミュニケーション力を培養する古くて新しい「教養」ジャンル
芸術系学際
美術、デザイン、音楽という3つの芸術ジャンルの枠を超えた研究領域。「枠を超えた」というよりは総合した要素も。芸術への深い造詣をもとに、新しい芸術文化の創造や普及に貢献する
経営学
人、モノ、カネ、情報を活用した「企業」活動の管理法と運営法を研究するジャンル。即戦力として実践的な知識と運用能力を養成するために、インターンシップ教育が盛んなのが特徴
文化学
世界の文化の多様性を土台に、古今東西の人や文化を総体的として比較。それぞれの文化特有の尺度や思想を発見・分析するジャンル。現地での「フィールドワーク」の研究手法がキモ