テーマ こども 小学校
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どんな分野?
弊害も指摘されてきたゆとり教育。2008年に発表された新学習指導要領では、学習内容と授業時間数が増やされており、日本の義務教育は「ゆとり」から「確かな力」へ大きく舵を切った。英語も必修化され、教育効果が注目されている。
学力向上は重要課題だが、小学校の役割はそれだけではない。総合学習の時間を使った地域の特色を知る勉強や、普段遊ぶ機会の少ないコマまわしや竹馬など古い遊びを楽しんだりと、さまざまな経験をすることもそのひとつだ。また空き教室などを活用し、両親が働いているいないにかかわらず、すべての小学生が放課後に遊べる居場所づくりを始めるなど、こどもたちが地域で安心して遊べる場所の確保と提供を担い始めている。
活躍の舞台
小学校の先生になるためには教員免許が必要だ。大学、短大など所定の単位を履修し実習をおさめる。免許には種類があり、4年生大学で取得できるのは一種免許状、短大では二種免許状となる。また大学院修士課程では、専修免許状が取得できる。大学の教員養成課程で学ぶ場合、免許状取得に際して試験はない。養護教諭になるには教員養成系大学の養護教諭養成課程、看護大学(短大含む)などで所定の単位をおさめる必要がある。
ほかに小学校に関わる仕事というと、最近ではこどもたちの心のケアを担当するスクールカウンセラーがある。スクールカウンセラーには国家資格がないため、心理学を学び臨床心理士や学校心理士など資格を取得する人が多い。
学問へのアプローチ
国際比較調査などで、諸外国のこどもたちに比べて日本のこどもの学習時間が少ないことや学習意欲が低いことが指摘されている。勉強自体をあまり役に立たないと考えていることも、民間企業の調査で明らかになった。学力向上は重要な課題だが、一方でこどもたちが自ら学ぶ意欲、勉強は大切だという価値観を持つようになるように、学ぶことの意味や価値を社会が明確にしていく必要があるだろう。
学級崩壊やモンスターペアレントなど、小学校を取り巻く問題は多い。しかし、こどもたちを地域で支えようと、保護者の読み聞かせや地域の人々が登下校時にこどもたちを見守るなど、各地で地域に開かれた小学校を目指した地道な試みがはじまっている。
このキーワードについて学べる学問分野
哲学・心理学
人類の根源的な疑問=「人間とは何物か」「何が生きる意味や価値か」という“こころの問題”に思索や論理を通じて迫るのが哲学、科学的なしくみとして解決しようとするのが心理学
教育学
教育の本質を捉え、学校や職場、地域社会において人間の可能性を伸ばすシステムと技法を研究する学問分野。老若男女すべての「学ぶ人」に理想的な教育の環境を提供することが大目標
教員養成
教育への情熱や意欲をもとに、自らの教養・人格を向上させ、教える能力や対話のコミュニケーション能力などの専門スキルを研究・体得。教育のプロフェッショナルをめざす専門課程
児童学
家庭における「育児」に着目し、子どもの成長過程、親子・きょうだいの関係などを総合的に研究する。子どもの個性や感性をどう育むか、安心できる子育て環境の整備などがテーマ