テーマ こども 幼保一元化
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どんな分野?
幼稚園と保育所は、どちらも就学前の子ども(幼児)を預かる施設であり、自治体が設置する公設と学校法人または社会福祉法人などが設置する民営が併存している。学校と同じように幼児を教育するための「幼稚園」と、親の育児負担を減らすために子どもを預かる「保育所」は、本来まったく目的が異なる施設である。
しかし時代の流れから、近年は幼稚園でも両親の生活スタイルに応じて預かり時間の延長を始めるなど、両者の違いは曖昧になっている。一方で、保育所には共働きの家族の増加で利用希望者が殺到しており、いわゆる「待機児童」の問題が指摘されている。そこで幼保一元化をめざす第一歩として、両者の役割を果たす「認定こども園」の設置が進められている。
活躍の舞台
未就学児の教育やしつけについて専門的に学べる分野が「児童学」だ。子どもの心と身体の発達過程を理解し、大人の目で見守りながら健やかに育くむための実践的な技法を学ぶ。また教育系統の「教員養成系」では、幼稚園で音楽や美術、数字など教育の側面を広範に学べる。
いずれの分野でも、保育士の資格と幼稚園教諭の免許の両方を取得できるコースを設置する大学がほとんどだ。大学の課程や研究テーマについては共通点も多いが、資格取得の際には重視されるポイントが異なるため、よく留意して試験対策に臨む必要がある。
そのほか、幼児教育の制度や法律、システムの整備など政策面から研究する「教育学」のアプローチもある。
学問へのアプローチ
この分野について専攻した人は、幼稚園の教諭または保育所で働く保育士になるのが一般的な進路。そのほか、文部科学省あるいは自治体の教育課などで教育行政に関わる職種もある。
現在の制度では「幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省」と行政の管轄が異なっており、育児支援という行政サービスに質的な差ができる、狭い地域にそれぞれの施設が個別に設置されて競合するなど弊害が多い。また待機児童を抱える現状では、保護者や家庭の状況によって保育所の利用希望者は厳しい制限を受けている。
「認定こども園」は行政の壁を越えて協力しあう新たな取り組みとしてスタートした画期的な制度といえ、今後のさらなる改善・展開が期待される。