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どんな分野?
日本では小中学校の義務教育、高等学校と大学の高等教育に至るまで、都道府県や市町村による公教育の制度が確立している。いわば「官」による統一規格の教育だが、一方で「民」の側にも独自の理念で設立された私立学校、ユニークな教育サービスを提供する塾や予備校があり、それぞれ発展を遂げている。
学習塾や予備校は、その徹底した研修と多くの人たちの経験により確立した高度な授業技術に定評があり、講師たちが「教えるプロ」として学校に派遣されて補習授業などを担当する例もみられる。
最近の学習塾では、理科実験など楽しみの中で科学の考え方を教えたり、農村体験や社会見学によって実社会、日本の伝統文化を体験できたりする新しい塾も登場している。
活躍の舞台
学習塾などの教育産業に関心のある人は、「教育学」「教員養成系」に進学するのが一般的だ。「教育学」では、教育の本質や理念、教育の歴史と文化、教育システムや法制など、主に理論的な側面を研究する。教師をめざして、各教科の学習内容と授業の技法などについて実践的に学ぶのが「教員養成系」だ。
また、家政系統の「児童学」でも多くの大学で幼稚園教員や保育士、小学校教員をめざすカリキュラムを導入している。絵本や玩具、遊びなどのこども文化、あるいはこどもの物の見方について実証的に研究する。そのほか、人文系統の「心理学」にも、人間の知能や身体の発達、発達段階に応じた接し方や教え方といったテーマを扱う「発達心理学」というジャンルがある。
学問へのアプローチ
最近の教育産業では、学校と連携した受験対策指導、実験や観察、体験型の授業スタイルなど、さまざまな新しい展開をみせている。公教育では難しいきめ細かなサービスを提供していくことが、これからの使命となるだろう。
この分野を専攻した人の進路としては、学習塾、予備学校で講師として勤務するほか、学校職員として学校を運営する仕事に就く道がある。教員免許は必須ではないが、科目ごとの授業技術、さらに学校事務やクラス管理など学校運営に当たるための実践技法は、教育産業の現場でも有効に生かせる。
未発達な段階にあるこどもへの共感や理解、教育についての熱意を持ち続けることが、この分野で活躍するためにもっとも大切な条件といえる。
このキーワードについて学べる学問分野
教育学
教育の本質を捉え、学校や職場、地域社会において人間の可能性を伸ばすシステムと技法を研究する学問分野。老若男女すべての「学ぶ人」に理想的な教育の環境を提供することが大目標
教員養成
教育への情熱や意欲をもとに、自らの教養・人格を向上させ、教える能力や対話のコミュニケーション能力などの専門スキルを研究・体得。教育のプロフェッショナルをめざす専門課程
経営学
人、モノ、カネ、情報を活用した「企業」活動の管理法と運営法を研究するジャンル。即戦力として実践的な知識と運用能力を養成するために、インターンシップ教育が盛んなのが特徴
児童学
家庭における「育児」に着目し、子どもの成長過程、親子・きょうだいの関係などを総合的に研究する。子どもの個性や感性をどう育むか、安心できる子育て環境の整備などがテーマ