テーマ こども 保育園
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どんな分野?
主に幼児の「教育」という視点から、初歩的な言葉や歌、お絵かきや遊戯など教えることを目的としている幼稚園。これに対し、主に「福祉」の視点から家庭の負担を減らすため、仕事のある両親に代わって幼い子どもを預かる保育園は、乳児から入学前の幼児まで幅広い年齢の子どもを対象としている点が特徴だ。
「夫は外に出て働き、妻は家事を担当する」という明治以来の伝統的な価値観が崩れ、女性が社会に進出することが当たり前となった現在、出産後もフルタイムの勤務を希望する女性が増えている。さらに、勤務時間やライフスタイルが変化している今、夜間や休日の延長保育など、多様なニーズに応じられる施設の充実が求められる。
活躍の舞台
将来、保育園で働くことをめざすには「児童学」系の学部に進学するのがよい。子どもの心と身体が成長していく過程を深く理解し、健やかな発達を促すための知識と技法を実践的に学ぶ。あるいは「教員養成」の分野という選択肢もある。この分野の資格には、保育園で働くために必要な保育士の資格と、いわゆる「教員免許」の一種である幼稚園教諭の免許があり、これらの両方を取得できるようにカリキュラムが設定されていることが多い。
大学では、人間の学習や成長の過程を研究する「教育学」、内面の発達と人間関係を研究する「心理学」「社会学」の手法で保育を学んでいく。そのほか、保育園で、子どもの健康や発育状態をチェックするための、「看護学」や「栄養学」などの実践知識も大切となる。
学問へのアプローチ
大学で幼児保育を専攻した卒業生は、保育士の資格を取得することで、公営、民間の保育園、あるいは託児所(認可外保育施設)で勤務することができる。
最近は、親からの暴力やネグレクト(育児放棄)など家庭にさまざまな問題を抱える幼児が増えており、幼児と両親を交えた丁寧な対応も保育士に求められる能力の1つになっている。一方、いま都市部では保育所で受け入れられる人数が圧倒的に不足しており、長期間にわたって入所待ちを強いられる「待機児童の問題」が深刻になっている。
児童福祉の整備という面から、保育施設の充実と保育士の養成に取り組む自治体の取り組みも始まっており、高度な専門知識と保育技術をもつ保育士有資格者へのニーズは、これから広がっていくことが予測される。