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どんな分野?
「知育」とは、主に入学前の幼児を主な対象とした初期段階の教育で、人間に本能的に備わっている「知りたい」「学びたい」といった欲求に応じて、適切な指導を行うことにより知能を育てることをめざす。玩具やゲームなどを使って知的能力(記憶力、判断力など)を養う、あるいはグループの遊びによって協調性や忍耐力を身につけさせるといった目的がある。
言葉や文字も未発達な幼児に楽しみながら自然に能力が身につくよう、身体を動かして物を作る積み木やブロック、音の出る玩具を使ったクイズ、数や形の概念を学ぶゲームなど、多彩な知育教材が開発されている。いずれも集中力がなく飽きやすい幼児向けに、効果的な教育メソッドの研究も進んでいる。
活躍の舞台
この分野を大学で専攻した人は、幼児教育に関する仕事に就職するのが代表的な進路。たとえば、幼稚園の先生または保育士になるには、大学で所定の課程を修了したうえで、「幼稚園教諭」「保育士」の試験に合格する必要がある。
最近は、学力を含めた子どもの総合的な知能を伸ばすため、独自の知育プログラムを実践する幼児教室も増えており、教育熱心な保護者の間で人気を集めている。幼稚園や小学校の受験をめざす幼児向けの学習塾が、「知育」を掲げるケースもあり、この分野の専門知識を身につけた人の活躍の場は広がっている。
そのほか、玩具メーカーや教材メーカー、ゲームメーカーなどの企業で、知育の教材や玩具を研究・開発するという選択肢も考えられる。
学問へのアプローチ
知育について大学で専門的に研究するなら、家政系統「児童学」に進もう。育児や家族の問題について科学的な手法で研究する学問分野で、家庭の中で子どもの学習能力が成長する過程を分析し、子どもの発達段階に応じた知育について実践的に学べる。また、教育の現場で働く保育士や幼稚園教諭の資格も取得できる。
幼稚園教諭をめざすなら教育系統「教員養成」の分野も選択肢になる。幼稚園や学校教育に関する専門知識を基礎から理解したうえで、効果的な知育の技法を学べる。同じ教育系統には「教育学」という学問分野もある。人間の成長過程や学習能力を科学的に分析する学問分野で、幼児段階での知能の発達を理解し、効果的な知育のメソッドを考える。