テーマ こども 育児教室
その他のキーワード
どんな分野?
育児教室は、はじめて育児をする親や育児に自信がない若い親を対象に、育児の方法を教える教室。核家族化が進んだ日本では、大家族で暮らす人が少なくなり、子育て経験のある家族や親類といった頼れる相手がいないために、育児に関する知識が不足している人がとても多い。そこで保健所、病院、保育園などが「産み方」や「育て方」を教える育児教室を定期的に開くケースが増えている。
妊娠から出産、乳児、幼児まで、時期ごとに異なる保育の方法をアドバイスすることに加えて、産前産後の母親への医療ケアや、不安を抱える母親の精神的なサポートも行う。教室に集まる父母たちとの情報交換の場ともなっており、子育て支援の一環として重要な役割を果たしている。
活躍の舞台
地域の保健所や保健センター、学校、一般企業などで働く保健師が、代表的な進路。これは病気の予防や感染病の流行防止を目的として、健康診断や予防注射、医学的な立場から食事の管理や生活指導を行う職種で、妊娠期の母親の健康管理や保健指導も業務の一つだ。この仕事に就くには「看護師」国家試験に合格したうえで、「保健師」の国家資格を取得する必要がある(同時取得も可能)。
そのほか、病院や福祉施設で患者のケアを行う看護師も選択肢となる。病院の産婦人科では、保健師のほか看護師、医師などが、産前産後の母親や子育て中の両親に、授乳、入浴、おむつ交換のコツ、離乳食の作り方など具体的な育児ケアの方法を指導するのが一般的だ。
学問へのアプローチ
この分野と関連する学問で最も代表的なのが、医療・保健系統「看護学」。人体のしくみやこどもの成長に関する基本的な医学知識を土台に、妊娠期や出産後の母親の身体をケアし、子育て中の両親を精神的にサポートする看護技術を学ぶ。「保健・衛生・医療技術学」でも、妊娠、出産、産後から乳児期まで、時期に合わせた子育ての注意事項など、育児教室で教える体系的に学べる。
家庭の視点から保育や子育てについて研究する家政系統「児童学」では、乳児から小学生までのこどもの心の発達と身体の成長について理解し、子育て世帯の実情に応じた支援方法を考える。そのほか、教育系統「教育学」も関連が深い。教育や保育の理念を理解し、子育て支援のための制度を研究する。
このキーワードについて学べる学問分野
保健・衛生・医療技術学
医療・福祉活動を医師と共に支える「保健衛生」「リハビリ」「医療技術」を研究する学問。衛生環境を整えて病気を予防したり、社会復帰を助けたりして国民の健康を守ることがテーマ
教育学
教育の本質を捉え、学校や職場、地域社会において人間の可能性を伸ばすシステムと技法を研究する学問分野。老若男女すべての「学ぶ人」に理想的な教育の環境を提供することが大目標
看護学
医療現場や福祉施設、地域社会における看護と介護のプロフェッショナル領域。医師をサポートしつつ、病気の人や高齢者・障害者を、身近にあって心身両面からケアするための実践学問
児童学
家庭における「育児」に着目し、子どもの成長過程、親子・きょうだいの関係などを総合的に研究する。子どもの個性や感性をどう育むか、安心できる子育て環境の整備などがテーマ