テーマ こども 医療ケア児
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どんな分野?
医療ケア児とは、日常生活を送るうえで、たんの吸引やチューブによる栄養補給などの医療的なケアを必要とする子どものことです。早産による未熟児、先天性の病気や小児がんなどで、かつては命を落していたようなケースでも、医学技術の進歩によって救えるようになりました。
障がいを抱えていても、医師による経過観察と適切なケアを受けることで普通に暮らせるにも関わらず、彼らはこれまで通学・通園や外出が制限されてきました。また、発達障がいのため通常の教室では勉強できない子どももいます。病気や障がいがあっても、健康な子どもと同様に福祉施設や学校に通えるよう特別支援学校への看護師増員、障がい児用の教材の充実など、支援体制の整備が始まっています。
活躍の舞台
医療・保健系の大学で、看護技術や心理的なケアを学んだ人、あるいはリハビリテーションなど医療技術を習得した人の代表的な進路は、医療や福祉の分野です。たとえば、心臓病や小児がんなど重い病気の子どもが入院生活を送る小児専門病院(こども病院)、病院の小児科病棟、特殊支援学校や児童福祉施設といった職場で、専門性を発揮できます。また、教育の分野では、養護教諭の仕事もあります。「医学」で子どもの病気を専門的に学んだ人は、病院で診断と治療にあたる臨床医、または大学で病気の原因や治療法を研究する研究医の道があります。
児童学系の学科で学んだ人は、児童相談所や児童福祉施設などの業種があります。医療ケア児とその家族のサポートにあたります。
学問へのアプローチ
「看護学」「保健・衛生・医療技術学」が代表的な学問。「看護学」では、医学の基礎知識を理解したうえで、子どもの医療ケアのための看護技術を習得します。また、精神的なケアの方法も学べます。「保健・衛生・医療技術学」は、リハビリテーション専門家をはじめ、医療を側面で支えるスタッフを養成する学問です。学校や福祉の場で必要な医療ケアを実践的に学べます。ほかに、医療機関で子どもの病気の診断・治療を行う「医学」もあります。
「児童学」では、子どもの教育や児童福祉の視点でアプローチします。医療ケア児を受け入れる幼稚園・保育園、学校や福祉施設の体制づくり、家族を含めてケアできる包括的な福祉制度の整備といったテーマを研究します。
このキーワードについて学べる学問分野
保健・衛生・医療技術学
医療・福祉活動を医師と共に支える「保健衛生」「リハビリ」「医療技術」を研究する学問。衛生環境を整えて病気を予防したり、社会復帰を助けたりして国民の健康を守ることがテーマ
医学
人間の身体のしくみや生命活動を、健康との関係で科学的に捉え、人間の病気やケガのメカニズムを解明。その治療法と予防法を総合的に研究する学問。研究の進歩が著しい最先端科学
看護学
医療現場や福祉施設、地域社会における看護と介護のプロフェッショナル領域。医師をサポートしつつ、病気の人や高齢者・障害者を、身近にあって心身両面からケアするための実践学問
児童学
家庭における「育児」に着目し、子どもの成長過程、親子・きょうだいの関係などを総合的に研究する。子どもの個性や感性をどう育むか、安心できる子育て環境の整備などがテーマ