テーマ コミュニケーションとメディア 広告
その他のキーワード
どんな分野?
広告業界で今一番ホットな話題といえば、やはりインターネットである。「四大メディア」と呼ばれるテレビ、ラジオ、新聞、雑誌というマスメディアを軸に動いてきた広告の世界が、ネットへとその軸線を移行しつつある。実際、インターネットへの広告費は2004年にラジオを抜き去り、2006年には雑誌をも超えた。残るテレビ、新聞への広告費も毎年減少していることから、広告全体に対するネットの占める割合は今後さらに進んでいくはずである。
もうひとつの話題として、広告会社のグローバル化や合併がある。日本に進出してきた外資系広告会社は日本の中小広告会社との合併や提携でシェア獲得を虎視眈々と狙い、日本の大手もM&Aなどによりその動きに対抗している。
活躍の舞台
社会科学分野でいえば「広告論」「広告管理論」などが代表的。これらは、広告の全体像を把握するのに適している。広告業界を目指す場合は、営業部門で働くのか、クリエイティブ部門で働くのかによって、学ぶべき学問も異なってくる。
営業部門の代表格でもあるAE(アカウント・エグゼクティブ)は、ひとつの広告を広告主(クライアント)から受注してから制作、リリースまでを一貫して管理する仕事なので、「経営学」「会計学」などの経営分野が役に立つ。
一方、実際の広告を作るクリエイティブ部門であれば、デザイン・芸術関係の分野を勉強してみるのもよい。また、ネット広告の技術的な部分に関わりたいのであれば、工学系の分野もおすすめだ。
学問へのアプローチ
インターネット広告の躍進でも示されているように、広告の「ワンツーワン化」はさらに進むだろう。従来の広告が「マス」、つまりより多くの人に訴えることを重視していたのに対し、一人ひとりのニーズに合わせた広告をピンポイントで展開していく手法である。通信速度のアップなど技術革新により、テレビの画像と遜色ない広告がネット上で配信できるようになった今、動画を使った広告もネット上では増えていくと思われる。
また、「検索エンジン」でのヒット率を意識した、いわゆるSEO(検索エンジン対策)も新たな分野として加わってくる。検索エンジンでいかに上位に表示させるかということは、伝統的な広告手法以上に重要なものになりそうだ。