テーマ コミュニケーションとメディア 異文化理解
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どんな分野?
国際化の進展により、仕事や旅行で海外に出る日本人や、日本文化に惹かれてやってくる外国人が増えている。日本に職を求めて定住する外国人も増加の一途をたどっており、日本人は文化の異なる人々と接触する機会がとても多くなった。海外ばかりでなく国内の日常生活においても、無用なトラブルを回避し安心して暮らすための異文化への理解は、コミュニケーションの基本的な常識として身につけるべきスキルとなりつつある。
一方、日本語や日本の伝統文化を見直す新たな動きが注目されている。日本の特殊性ばかりにとらわれることなく、冷静な態度で日本の長所と短所を分析する力、そして海外に伝えるコミュニケーション能力が大切だ。
活躍の舞台
異文化を学ぶには「言語」「文化」「歴史・地理」などの人文科学系のアプローチと「社会」「宗教」「習俗」などの社会科学系のアプローチがある。これらはいずれも重要な視点を提供してくれるが、異文化について「理解」するには、一つの要素をきっかけとしながら複数を幅広く学んで、研究対象とする国や地域、文化圏を複合的なものとして深く探求することが重要だ。
文学・語学・文化学・社会学にまたがる「コミュニケーション学」は、こうした総合的なアプローチで「異文化」を学べる学問だ。また、異文化への知識を実践に生かせる分野が「国際文化学」「国際関係学」。国際機関やNGOなどを舞台にした「国際交流」や「多文化共生」のあり方について実践的に学べる。
学問へのアプローチ
自分たちの文化や社会について特に強く意識する場面が「外国」への旅行、仕事での「外国人」との接触といった直接の体験だ。「英語の苦手な日本人」というイメージは世界で定着しているが、コミュニケーションに必要なのは、語学力だけではない。わかりやすい話し方や態度、何よりも相手の立場を尊重しながら自分を主張できる対話力、交渉力が大切だ。また、最近はインターネットの発達によりネットショッピングでの海外取引など、公的な国際コミュニケーションも普通のことになった。こういった場面では、外国語の能力はもちろん、国際的な取引のルール、より広く国際社会でのマナーについてわきまえておくことが、トラブルを予防する最善策であることはいうまでもない。