テーマ コミュニケーションとメディア 出版・印刷
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どんな分野?
ケータイ小説や電子書籍など、新しいメディアによる出版が注目されている。出版・印刷は、20世紀の大衆文化を支えてきた代表的な「紙媒体」の世界。デジタル化、ネットワーク化というメディア界を取り巻く大きな潮流によって新たな段階を迎えている。
出版印刷業界では、制作コストを下げて少量多品種生産へ移行していく努力に加え、小説と映画の連携、芸能人と雑誌の協力など、メディアミックスの取り組みを強化している。そのほか、ユーザーの求めに応じて小部数の書籍や印刷物を制作するオンデマンド出版・印刷にみるように、デジタルと映像メディアを取り込みながら、新しい需要を生み出す業界への脱皮を図っている。
活躍の舞台
出版・印刷の仕事、特に編集やメディアについて学べるのが、社会学系の「新聞学」「マスコミュニケーション学」。ただし、人文科学および社会科学系統を中心として文系分野全般で関連するジャンルを学べる。
編集者など活字メディアの世界に興味がある人は、小説や戯曲、評論、エッセイ、紀行文など、さまざまな文章に親しみ、文字への感覚を磨いておくことが望ましい。人文科学系統の「日本文学(国文学)」では、日本語の文章について体系的に研究することができる。また、文学・語学系の「言語学」という学問では、日本語の文法、日本文の特性、日本語の音声的な特徴など、文章の構造分析など、「言葉」を専門に研究することができる。
学問へのアプローチ
出版・印刷業界は、あらゆる未知の題材から自由な発想で企画を組み立て、知的な商品を生み出す創造的な世界だ。この仕事をめざすには、知的な好奇心、世の中の潮流を捉える敏感な感性が大切となる。
業務は「企画・編集・制作(執筆やデザイン)・印刷」という作業の流れに沿った分業体制になっている。ただし、文章執筆や写真・イラストの作成は専門家へ外注とし、出版社員は「企画・編集・制作進行」に専念することが多い。
大きく分けて、印刷物の内容を構成する側が「出版業」、印刷物という製品を制作する側が「印刷業」の役割だ。また、出版業から編集作業を請け負う「編集プロダクション」の仕事もある。