テーマ コミュニケーションとメディア 動画配信
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どんな分野?
インターネットや光ケーブル経由で、映画やドラマ、ミュージックビデオといった動画コンテンツを配信するサービスが急速に拡大している。
動画ファイルを丸ごと送信し、利用者のパソコンなどに保存してから再生する「ダウンロード」と、動画を少しずつ送信しながら利用者のパソコン上で順次再生していく(保存しない)「ストリーミング」という2つの方式があり、現在では後者が主流だ。
一方で、高画質な小型ビデオカメラと高機能映像編集ソフトといったマルチメディア環境が手軽に入手できる今、誰でも簡単に動画を撮影して加工し、世界に向けてネット配信できるようになった。動画配信は、新たなコミュニケーション手段としても注目されている。
活躍の舞台
動画配信に関する研究には、いくつかのアプローチがある。まず信号伝送方式などのネットワーク技術、著作権保護のためのデータの暗号化といった動画配信の技術的な側面について学ぶには、「電気工学」系の「通信工学」「情報工学」を専攻するとよい。より専門性の高いものとして、動画フォーマットの種類を理解し、美しい映像のままデータ容量を圧縮するなど映像加工の技術を研究する「画像工学」というジャンルもある。
動画コンテンツの内容について学ぶアプローチもある。動画のほか、コンピュータグラフィック、ビデオゲームなどの制作を基礎から学べる「情報メディア学」というジャンルで、こちらは「社会学」の分野あるいは「デザイン学」の分野に設置されることが多い。
学問へのアプローチ
動画の配信技術を専攻した人は、通信プロバイダー、あるいはネットサービスを提供する企業へ、コンテンツ制作を専門に勉強した人は、ゲームやCGなどを制作するソフトウェア会社などに活躍する場がある。
近年では携帯電話やネットブックなど、モバイル向けの動画配信にジャンルが拡大しており、動画によるビデオメールやリアルタイムで相手を見ながら会話ができるテレビ電話などのサービスも始まっている。この分野の知識と技術を備えた人材へのニーズは高い。
しかし誰もが簡単に送受信できる環境を手にしたことにより、既存のコンテンツを無断で配信するといった問題も指摘されている。著作権の保護も大きな課題だ。