テーマ コミュニケーションとメディア インタラクティブ
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どんな分野?
「インタラクティブ(interactive)」とは本来、「相互に作用する」という意味。スマートフォンやゲーム機などの携帯ツールを活用したインタラクティブ(双方向)なメディアが、急速に普及している。その背景には、最近のデータ処理(圧縮)技術と通信速度の飛躍的な向上のために、普通の人が簡単に音声や映像を記録でき、大量のデータを高速に送受信できるようになったことがある。
大勢の人がオンラインで参加するSNSやソーシャルゲームのほか、画像配信システム、さらにネット上のナビゲーションにもインタラクティブ技術が応用されている。テレビなど既存のメディアでも、視聴者との交流やデータ収集を目的として、ネットを介したアンケートやクイズなどインタラクティブなサービスを拡大している。
活躍の舞台
この分野での卒業後の就職先としては、SNSやチャットなどのソーシャルメディアを運営するネットサービス会社が挙げられる。SNSサイトやWebページの企画・運営、デザインの仕事をはじめ、ソーシャルメディアを広告・販売に活用するマーケティング、ソーシャルメディアのシステムを構築・管理・保全する技術部門などの仕事がある。Webページの制作者になるには、画面の編集やデザインに関する専門知識が欠かせない。システム管理や運営のスペシャリストになるには、ネット通信やデータ処理などについての高度な専門知識を身につけておく必要がある。
そのほか、ネット上のソーシャルゲームやアプリを開発する企業に就職し、ゲームやアプリの制作者として活躍するという選択肢もある。
学問へのアプローチ
この分野を研究する学問は、さまざまな系統にまたがっている。人文科学系統「文化学」では、コミュニケーションの側面からインタラクティブにアプローチする。SNSやチャットなど新たな通信手段の特性を分析し、人間のコミュニケーションに与える影響について考える。社会科学系統「社会学」には、情報メディア、マスコミなどの問題を扱う研究ジャンルがあり、インタラクティブなメディアの情報社会への影響について学べる。
そのほか、ゲームやアニメーションの制作技法を学ぶ「工芸・デザイン」「芸術系学際」、インターネット通信、画像・音声データ処理など、インタラクティブなメディアを実現するための工学技術を実践的に学ぶ「電気通信工学」も選択肢になる。
このキーワードについて学べる学問分野
電気通信工学
電気や磁気の性質を応用し、生活や社会を快適にする、電気のエネルギー利用技術や情報通信などのエレクトロニクス技術を生み出す学問分野。機械としての表現されることも重要課題
工芸・デザイン
製品の形や映像・絵・文字などを使った、人間の視覚に訴える表現芸術。美術の応用領域として、社会ニーズにそった「美」を創りだす分野。「機能性」「快適性」を希求するのが特質
社会学
家庭・地域・学校・企業など人間が作っている「組織」のしくみやはたらきを検証し、そこに生起する種々の現象を解析。社会病魔、福祉、環境、メディアといった現代的課題に迫る
芸術系学際
美術、デザイン、音楽という3つの芸術ジャンルの枠を超えた研究領域。「枠を超えた」というよりは総合した要素も。芸術への深い造詣をもとに、新しい芸術文化の創造や普及に貢献する
文化学
世界の文化の多様性を土台に、古今東西の人や文化を総体的として比較。それぞれの文化特有の尺度や思想を発見・分析するジャンル。現地での「フィールドワーク」の研究手法がキモ