私たちの社会と、大学で学ぶ学問との間には密接な関連があります。インターネット版じぶんコンパス内にある「学問ディスカバリー」では、実社会や職業を読み解くものとして12のカテゴリーを用意し、それぞれに「注目の学びのテーマ」を紹介。また、学問へのアプローチのきっかけとなるよう、学問ジャンルとの関係などについても解説しています。興味・関心のあるカテゴリーから深めたいテーマについて調べてみましょう。
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ケース3 今、興味・関心のあることから将来の進路を考える
今はなりたい職業が思いつかなくても、シイノのように部活や習い事など打ち込んでいることがある人もいるでしょう。
そうした趣味や特技を、将来の職業につなげて考えてみましょう。そこから今後の進路が見えてくるはずです。
自分の好きなことが未来を切り拓く
大学が取り組んでいる研究テーマは広大
好きなことが、きっと学問につながる
必ずしも将来の仕事にはつながらないけれど、今は好きなことがある。でも、それって学校の勉強とは違うし、今後の進路選びにはあまり関係ないかも─。そう思っている人もいるでしょう。 しかし大学で勉強する学問は、高校までとは大きく異なります。たとえば自分の身の回りにある製品、話題の事柄、社会的な課題など、世の中の重要なキーワードのほとんどすべてが、大学で学べる学問と関連しているといっても過言ではありません。ちなみに高校生にも人気のファッションやゲーム、スポーツなどについて学べる大学もあります。 だから高校の勉強は苦手だったとしても、大学に進学してから勉強が好きになったという人はたくさんいます。今、自分が熱中していることについて、もっと追究したいと本気で思っているなら、それを生かした進路を考えてみましょう。自分が興味・関心のあることなら常に熱意を持って努力できるし、困難なことがあってもそれを乗り越えていく力がわくでしょう。きっと道は大きく拓けます。
興味・関心を追求できる大学の魅力
自主性と自己管理が求められる大学生活
積極的な行動が成功につながる
大学での学生生活は、高校時代とは大きく変わります。クラスの全員が同じ授業で学ぶ高校とは異なり、時間割は各自で決めます。卒業のための単位*1を計算して、必修・選択・選択必修など科目*2を選択する必要もあります。先生に教わるのではなく、自分で研究して学びとる、というのが基本的な学習のスタンス。それだけ大学生には自主性と自己管理が求められますが、大きな自由も与えられます。スケジュールに従って授業に出席し、課題やレポート*3を提出すれば、あとは自分の自由な時間です。そして、自分に与えられた時間を使って、学校の勉強「だけ」をするのではなく、趣味やスポーツ、習い事など、いろいろな可能性を試すことができるのが大学の魅力です。たとえば夏休みを使って旅行をしたり、今熱心に打ち込んでいる好きなことにも、多くの時間をあてることができます。何事にも重い責任がともなう社会人とは違って、学生のうちはある程度は失敗が許される「特権」もあります。たくさんチャレンジできる学生時代に好きなことに打ち込めば、その後の人生を生きていくための貴重な財産にもなるでしょう。
興味・関心と学問を結びつけて考えてみる
関連する職業や業界から学問をイメージする
同じテーマでも選択肢は多種多様
自分が興味・関心を持っていることと、学問の関係がわからないという人は、まずは好きなことを生かせる職業をイメージし、そこから大学で勉強する「テーマ」を考えてみましょう。 たとえばサッカーに熱中しているのなら、スポーツに関連する職業を考えてみましょう。まずはじめに思い浮かぶのは、アスリート(スポーツ選手)ですが、それ以外にも戦術を考える監督、選手の競技力を向上させるトレーニング指導者、チーム運営を経営面から考えるスタッフ、選手や試合を取材するマスコミ(ジャーナリスト)、さらに医学の立場で選手の健康面を支えるアスレチックトレーナーなど、いくつもの仕事があります。 次に、それぞれの仕事に関連の深い学問を調べてみましょう。体育学だけではなく、文学・語学から経営学まで、「スポーツ」という一つのテーマでも、幅広い学問分野の選択肢があることがわかります。このように、興味・関心、職業、学問という順番で考えを進めることで、自分が選択するべき学問領域を絞ることができます。
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大学用語解説
- 1.単位
- 1つの科目で一定の成績をクリアすると、決められた単位(4・2・1など)がもらえる。『大学設置基準』によると、卒業に必要な単位の合計数は124以上(大学により異なる)。卒業単位には含まれない「任意科目」もある。
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- 2.科目
- 大学の科目は重要度によって、卒業の必要条件となる「必修科目」、必要条件ではないが卒業単位として認められる「選択科目」、指定された範囲から一定の科目を修得しなければならない「選択必修科目」に分けられる。
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- 3.課題やレポート
- 大学でも、自宅学習のための課題が与えらえることがある。問題に解答するテスト方式ではなく、テーマについて記述式で答える論文方式が一般的。特に、実験や実習の授業で学んだことをまとめる課題を「レポート」という。