系統別学問内容リサーチ
社会科学系統
私たちの社会は、家族や学校、企業という小さな単位から国家や国際機関まで、たくさんの組織(集団)から構成されています。社会科学系統では、このような「社会」の姿を、さまざまな角度から研究します。
この系統の学問分野
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法学の分野
社会の公平さと我々の生活の安全を保つためのルールを学ぶジャンル。法律は、国としてのカタチを整える術、人々の行動の規範や手順のモデルでもあり、かつては万能視された時期も
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政治学の分野
社会を円滑に運営していくための方策=国家の形態、政治権力、それを生みだす人々の政治行動などを探求するジャンル。政治形態の歴史的推移や国家間比較なども重要な研究テーマ
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経済学の分野
モノやサービスを交換するしくみ=「生産→流通→消費」の観点から、世の中の人々のより良い暮らしを探求する分野。数理的な要素が強いこと、国際的な視点が重要なことが二大特徴
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商学の分野
モノやサービスなどの「商品」を売り買いするためのしくみやルール(習慣)、それをより多く売るための仕掛けや方法を研究する。物流・会計・金融(手形・証券・保険)が三本柱
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経営学の分野
人、モノ、カネ、情報を活用した「企業」活動の管理法と運営法を研究するジャンル。即戦力として実践的な知識と運用能力を養成するために、インターンシップ教育が盛んなのが特徴
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社会学の分野
家庭・地域・学校・企業など人間が作っている「組織」のしくみやはたらきを検証し、そこに生起する種々の現象を解析。社会病魔、福祉、環境、メディアといった現代的課題に迫る
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社会学系学際の分野
資源枯渇、環境汚染、人口爆発、食糧不足、安全保障問題など現代的な大テーマに、従来の学問的枠組を超えてアプローチする新分野。「総合的な視点」「多彩なテーマ」がキーワード
教育・研修のめざすもの
「社会」に生起するあらゆる知恵や現象を体系的に探究
社会科学は、私たちが暮らしている「社会」を研究する学問分野です。
研究するのは、社会のルールと運営法、社会で営まれる生産・消費活動、社会をつくるいろいろな組織とそこで起きる現象など、社会のあらゆる「要素」が対象になります。このように、社会の成り立ちをさまざまな角度から検証することで、複雑な現代社会の実態を捉え、これからの社会の未来像を描き、私たちがそれに向けてどんな行動をすべきかを考えます。
また、人間社会への深い理解を通して、人類が抱えるさまざまな問題に取り組むことも、社会科学の役割の一つです。たとえば日本には少子高齢化、生活格差の拡大、行政の非効率と不正、地方経済の低迷、世界的には環境破壊と資源の枯渇、民族紛争、貧困など、いくつもの問題が私たちの前に横たわっています。どれもすぐには解決できない難問ですが、具体的な政策や改革案を提示し、解決に向けて進むのが社会科学の使命です。
将来の進路・職業
専門知識や実務技術で実社会と直結し、有効な国家資格も豊富
社会科学系統の学問では、いずれも実社会と密接につながる研究が行われており、実社会ですぐに役立つ専門知識や実務技術を学ぶことができます。たとえば、市場経済の原理、商業と流通のしくみ、企業の業務と経営、企業会計や財務計算を身につけることで、企業社会を支えるビジネスマンをめざすことができます。
一方、社会における公的部門の役割を理解し、公共社会のルールと行政実務を修得することにより、公務員試験を受験し、国や地方自治体の公的機関で働く道もあります。また、企業活動における法律知識や専門実務を体系的に学ぶことで、法律家や公認会計士、税理士といった国家資格の必要な専門職に就くこともできます。さらに、企業業績の分析と評価法、企業情報を処理するためのデータベース構築、世界をつなぐ情報ネットワーク技術など、情報を有効に活用するための実践技術は、ITや情報系の仕事に就くために有利となります。