映画監督
映画監督の特徴
映画の製作現場の総責任者。映画の企画立案や脚本製作、キャスティングの立ち上げ、演出プランや絵コンテを作成し、映画の撮影現場でスタッフに指示を与え、キャストの演技指導にあたる。映画の製作費用や企画実現といった「総合的な映画の責任者」的仕事には映画プロデューサーがあたるが、映画監督は「映画製作現場の一切の責任」を担っている。映像や製作への情熱や表現技術が要求されるのはもちろんだが、映画製作は外から見えている部分よりはるかに膨大な要素で成り立っている。そうした広範囲の業務を統括しながら、予算と時間を考えて撮影を行っていける統合力・統率力・判断力や人望も要求される。
映画監督に関連する資格
日本映画の興隆期と呼ばれる戦後から70年代半ば頃までは、「大手映画会社が持つ撮影所に助手として入社、助監督として監督のもと下積みを経て、その後にやっと監督として映画を撮影」というのが一般的なルートであった。しかし、近年では映画製作の方法が多様化。これまでのように、まず監督の企画・脚本があり、それをもとに映画会社がリードして映画製作に至るというルートだけではなく、テレビドラマの続編として製作された映画が大ヒットしたり、映画ファンドが行っている「企画ごと、映画ごとに出資者を募って製作」する方法が増えてきた。このような現状を受けて、TVドラマ演出家や映像作家、芸能人や小説家、アニメーション作家といったさまざまな分野の出身者が映画を監督するようになっており、今後もこのような流れは加速すると思われる。
映画監督に興味がある人は、この分野の学問を調べてみよう
美術
絵画、版画、彫刻など、色とカタチによるオリジナリティのある造形によって「美」を表現する分野。いずれも具体化された作品により、人に感動を与えられるセンスや創作表現法を学ぶ
工芸・デザイン
製品の形や映像・絵・文字などを使った、人間の視覚に訴える表現芸術。美術の応用領域として、社会ニーズにそった「美」を創りだす分野。「機能性」「快適性」を希求するのが特質
教養学
人間と文化に対する幅広い学識と高い能力を備えた“教養人”を育てることを目的とした、欧米型の学問ジャンル。「思考力」「判断力」「実践力」など人間としての総合力の向上をめざす
芸術系学際
美術、デザイン、音楽という3つの芸術ジャンルの枠を超えた研究領域。「枠を超えた」というよりは総合した要素も。芸術への深い造詣をもとに、新しい芸術文化の創造や普及に貢献する