受験期のお子さんをうまくサポートするためにも、入試の基本的な知識は必要です。受験生の保護者を対象にしたアンケートでも関心事の第2位に入試制度がランクインしました。「大学入学共通テスト利用入試」や「指定校推薦入試」など大学受験を経験した先輩保護者の5割以上が内容を「よく知っている」と答えた重要ワードを中心に、多様化する入試制度の要点とおおまかな入試のスケジュールをここで押さえておきましょう。
国公立大学の一般入試
大学入学共通テストと個別試験の2回で選抜
国公立大学の入試は、大学入学共通テストと各大学が行う個別試験の両試験の得点を基に合否が決まる仕組みになっています。2つの試験の配点の比率は大学や学部によって異なります。また大学によっては志願者が予告の基準を超えた場合に、大学入学共通テストの点数や内申書を基に1次選抜を行い、その合格者のみを個別試験の対象にする「2段階選抜」を行うところもあります。なお、個別試験ではほとんどの大学が1つの学部や学科の定員を「前期日程」と「後期日程」に分け、試験を2回行う「分離・分割方式」を採用。各日程で1校ずつ受験することができるようになっています。ただし、最近では後期日程を廃止する動きが広がってきているので注意が必要です。
保護者の世代に共通一次試験と呼ばれていたものが、2020年度入試まで実施されていたセンター試験(大学入試センター試験)にあたります。国公立大学の一次試験としてだけでなく、私立大学の入試にも使われています。2015年度入試から6教科31科目が実施され、マークシート方式の試験です。最近の国公立大学入試では5教科7科目以上を課す大学が増えています。科目・教科ごとの点数は決まっていますが、各大学や学部が特定の科目を高くしたり低くしたりする「傾斜配点」を行うこともあります。
2021年度入試より、「大学入試センター試験」から「大学入学共通テスト」に名称が変更されました。
私立大学の一般入試
独自の入試方式で、バラエティーに富む
私立大学の入試は大学ごとに独自で行います。3教科3科目が主流ですが、2教科型や1教科型のほか、3教科を受験して得点の高い2教科の点数で合否を決める方式など、バラエティーに富んでいることが特徴です。下に、さまざまにある入試方式や制度の一部を紹介しました。このうち私立大学の入試では複数の入試方式・制度を導入しているところが多いので、合格のチャンスは拡大していると言えるでしょう。日程や入試科目などを確認し、お子さんに合った入試を利用しましょう。