家庭裁判所調査官
家庭裁判所調査官の特徴
家庭裁判所とは、離婚や相続など家庭内の紛争(家事事件)を解決したり、非行を犯した少年(少年事件)の処遇を決定する下級裁判所の一つである。家庭裁判所調査官は、事件の背後にある人間関係や家庭環境などを調査・報告し、時には審判の場で意見を述べる仕事。裁判官が決定する方針に重要な影響を与えるため、当事者はもちろん、家族・担任教師・主治医といった関係者とも面接を行い、警察や学校などの関係機関と連携して総合的に事実関係を把握していく必要がある。心理学・社会学などの専門知識に加え、複雑な少年の心理や家庭関係と向き合う人間性が求められる。初年犯罪や児童虐待が増加し、被害者への対応を巡る問題にも社会的関心が高まっている中、家庭裁判所調査官の果たす役割はより一層重要なものになっている。
家庭裁判所調査官に関連する資格
「家庭裁判所調査官補採用1種試験」。
受験資格は年齢制限のみだが、試験のレベルは大卒者程度で、合格率も低い。試験は2次試験まであり、筆記試験(教養試験、専門試験)と面接がある。専門試験は心理学、社会学、教育学、法律学などから選択できるため、大学や短大でこれらを専攻していると有利になる。合格者は裁判所職員総合研修所で2年間の研修を受けた後、家庭裁判所調査官に任命される。
家庭裁判所調査官に興味がある人は、この分野の学問を調べてみよう
哲学・心理学
人類の根源的な疑問=「人間とは何物か」「何が生きる意味や価値か」という“こころの問題”に思索や論理を通じて迫るのが哲学、科学的なしくみとして解決しようとするのが心理学
人間科学
人間の心と身体のメカニズムをトータルに捉え、多面的な側面や要素をを備えた人間そのものに深く切り込む学問。人間だけが獲得した、動物とは一線を画した能力や要素の秘密を探る
法学
社会の公平さと我々の生活の安全を保つためのルールを学ぶジャンル。法律は、国としてのカタチを整える術、人々の行動の規範や手順のモデルでもあり、かつては万能視された時期も
児童学
家庭における「育児」に着目し、子どもの成長過程、親子・きょうだいの関係などを総合的に研究する。子どもの個性や感性をどう育むか、安心できる子育て環境の整備などがテーマ