「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」では、多くの大学が面接試験を課している。特に「総合型選抜」では面接は欠かせない。以下に、面接の対策を紹介しよう。
面接には、個人面接と集団(グループ)面接の2つのタイプがある。そして、個人面接は受験生1人に面接官2〜3人、または1人で行われる。集団面接の場合は、受験生2〜5人に対して面接官1〜4人で行われる。
一般的には、受験生の多い大学は、物理的な問題もあり、集団面接を実施しているようだ。
▶個人面接では、回答者が自分1人だから意見が述べやすい
▶集団面接では、他の回答者との差別化も意識する
受験生にとって気になるのは、面接の扱われ方である。面接は「重視する」や「参考程度とする」などと、大学によりさまざまなのが実情だ。重視する場合は、面接結果を点数化し、合否判定に活用する。
参考程度とする場合は、面接結果が合否を大きく左右するということはないと考えていいが、面接態度で思わぬ減点をされることのないように注意が必要である。
受験にあたっては、事前に先輩の情報を入手して準備をしておきたいものだ。いずれにしても、対策としては面接形式、質問内容、評価方法を知って、それに合わせた自己表現、アピール法を考えておきたい。これが、本番であがらないコツになる。
面接の評価方法は公開されていないが、大別すると2つになる。
①「点数化による評価」:面接での結果を点数化し、小論文など他の選考方法と合わせて総合点で合否を決めるもの。
②「段階による評価」:面接の結果を3段階、あるいは5段階に分けて評価を行うもので、この方法を採用する大学は多くある。
面接で注目される「人間性」とは、性格、向上心、素質、教養など、その人が備えているすべてのことで、それらを総合的にみて、試験を行う大学が「期待される(求める)学生像」に近ければ評価は高く、遠ければ低くなる。
▶個人面接では、回答者が自分1人だから意見が述べやすい
▶集団面接では、他の回答者との差別化も意識する
受験生がやっておくべきことは何か、面接官はどこに注目しているか?
面接官はエントリーシート(志望理由書)をベースに質問し、①学習意欲(基礎学力、学部・学科の特性に合っているか)、②性格(自主性、向上心、協調性など)、③一般常識、④礼儀・態度、⑤健康状態などをチェックしている。
これで良い印象を与えると、大きなプラス点がつく。逆に、マイナス点がつきやすく注意したいのは、④の「礼儀・態度」で、減点箇所が目立つと、一発で「不可」になる場合がある。
ここ数年、面接で増えているのが、大学教育を受けるにふさわしい「基礎学力」「表現力」「コミュニケーション能力」などを備えているかどうかをみる質問である。
また、理系では基礎学力をチェックするための「口頭試問」が増える傾向にある。面接が近づいたら、関連教科の基本事項をまとめたものに目を通し、チェックしておきたい。
▶志望動機・志望理由・将来の進路・高校生活もよく質問される
▶学科に関する質問、口頭試問ではプロセスを明確にして回答する
「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」での「小論文」は、学力検査の意味合いがある。「漢字力」「表現力」「論述力」などが、チェックされる。小論文の出題形式は、4つのタイプに分けられる。
小論文は、常日頃からの受験生の問題意識、思考過程、総合的な知識力を問うような面がある。対策は、「本を読む」「新聞を読む」ことだ。新聞のトップから5ぺ-ジくらいについて、要約を意識しながら毎日読む。図書館での、新聞のまとめ読みもベター。小論文は、論理を意識して意見をまとめる。
小論文の採点は、公平を保つために、複数の採点官によって、点数化して行われる。
原稿用紙の使い方、字数、誤字に注意する。
▶筋道を立てて、論理的に書くことが大切になる
▶統計や資料の読み方は、過去問などで慣れておきたい
小論文の設問形式で多いのは、「〜について意見を述べよ」「〜について考えを書け」などである。小論文は意見文だから、自分の考えを明確にしておくことが大切になる。
新聞を読んだ後で、重要と思った記事は切り抜いて、もう一度目を通し、自分の考えを要約しておく。しかし、新聞記事を引き写したような表現はしない。
最近の小論文問題で、出題が多い時事項目をチェックしておきたい。
▶学科・専攻分野に関するテーマも出題されやすいから注意する
▶内容性、論理能力、文章表現力、漢字力などが評価される