「エントリーシート」といっても、「調査書」のように決まったフォーマットがあるわけではない。各大学によって違っているから、「総合型選抜募集要項」を早めに取り寄せて、添付のものを利用する。大学のHPから入手することもできる。
募集要項の巻末についている「エントリーシート」(カード)には、「役員歴(生徒活動・部活動)」「活動実績(部活動・ボランティア活動)」「資格取得」(資格名、団体名、段・級・スコア等)「留学・渡航経験」「将来の希望進路」「自分の長所・短所」「入学後学びたい分野」「志望理由」「自己PR」などを記入するようになっている。
体育学部志願者向けの「スポーツ活動報告書」については、「出身校または所属クラブに依頼してください」という但し書きをつけている大学もある。また、「スポーツ活動歴」は具体的に出場大会名、種目、年月、成績(順位)、さらに公認最高記録などの記入が求められる。
国際大会、全国大会、都道府県外・内大会を明確に記入する。
▶エントリーシートと「志望理由」「調査書」などとの整合性をとる
▶さらに、アドミッションポリシー(大学が求める人物像)との合致が重要になる
総合型選抜の「エントリーシート」は、正確に書く必要がある。また、後日の面接等において確認されるから、記入内容をコピーして再確認できるようにしておく。大学側は、エントリーシートの記入内容からキャリアを見るだけでなく、高校生活が充実していたかどうかなども判定する。
「志望理由」「自己PR」の欄は、「志望理由書」「自己推薦書」の内容と整合性がとれるようにしておくことが重要。これらの項目は学校が作成する「調査書」とも重なる面がある。総合型選抜と学校推薦型選抜とは提出書類は異なるが、内容に相違がないように書くこと大切だ。
一般的には、このエントリーシートが受理された後、1.1~3回( 多くは2回) の事前面談(予備面談)を受ける。2.その結果、9月1日以降に出願許可が出され、1次選考の書類審査に進む。書類には調査書・推薦書・志望理由書のほか、自己推薦書(自己PR 書)・活動報告書・課題レポートなどが含まれる。3. 2 次審査では課題発表(プレゼンテーション)、面接試験などが行われ、11月~1月の間に合格が発表される。
自己PRや志望理由の説明は、広義のプレゼンテーションだ。企業でいえば、新商品の良さを消費者に説明するようなもの。入試の場合は受験生が企業・商品であり、大学・面接官が消費者みたいなシビアな評価者といえる。
プレゼン内容を理解・納得してもらえなければ意味がない。そのためには、限られた時間を有効に使って、相手を説得する工夫が必要になる。ただダラダラと話すだけでは、理解・説得さらに合格はおぼつかない。自分史をつくり、自己分析して、長所はどこか、興味対象などを確認し、将来の進路・目標、大学で学ぶべき学問などについて、熱意を持って説明する。それが、出願大学のアドミッションポリシーとマッチすることを強調する。
▶限られた時間の中で、相手( 面接官) を説得する
▶アドミッションポリシーとのマッチが大切になる
プレゼンテーションの1 つのキーは具体性である。多くのプレゼンテーター・受験生は、話が抽象的になってしまい、説得力を欠き失敗している。具体性が、説得力のある話の内容をつくるテクニックなのだ。面接官は多くの受験生と接しており、ありきたりの話では興味を示さないことがあるかもしれない。
話がわかりにくいということは、説得力以前の問題。まずは十分に「わかりやすさ」を追求しよう。そのためには、論理的な構成にすることが大切になる。
具体的な展開例は以下になる。
1.要点:「私はこのような進路・目標を持っている。その目標を実現するために、貴大学に進学するのが最適と考え、志望した」
2.理由:「私は、こんな貴重な体験を経て、進路・目標を決めた」(例は説得力のある体験を選択する)
3.実例:「進路・目標を実現すれば、このような社会貢献ができる」(できるだけ具体的に)
4.要約:「目標の実現には、このような学問を学びたい。そのためには、貴大学の環境が欠かせない。是非入学を果たして、社会で活躍したい」(アドミッションポリシーと自身とのマッチングも強調する)
▶プレゼンテーションでは具体性がキーになる
▶将来に関しては、社会との結びつき、社会貢献などについて話す
理系の大学によっては、資料配布やパソコン等が使用できる。本番でミスしないように練習をしておく。
機材を使う説明では、成功して当たり前。ミスをしては、内容は良いがプレゼンは今一歩と評価されてしまう。注意したい。
▶プレゼンで使う資料はオリジナリティーを大切にする
▶真似をせず、個性を出してプレゼンする